2015年8月28日金曜日

保険会社は誤魔化し、騙す...

このブログでもたびたび書いていることですが、保険会社も営利企業であり、利益を追求する会社です。
(今はほとんどないと思いますが、「相互会社」の形態をとっていたころは、互助的な性質があり、「非営利」でした。)

利益を上げるためには、外部的に次のことが必要となります。
 ・ 保険の契約者を増やす
 ・ 支払う保険金の額を減らす

「お客様への対応」「安い保険料」などをアピールしているのは、「保険の契約者を増やす」ための宣伝であり、テレビCM等でよく見ると思います。

一方、交通事故の被害者が直面するのが「支払う保険金の額を減らす」というほうです。

2015年8月27日木曜日

ひき逃げ、自賠責保険の未加入(無保険車)で賠償が受けられない! ~ 政府の保障事業

交通事故で、次のような場合...

 (1)有効な自賠責保険契約がなかった
(2)ひき逃げで加害者が分からない
(3)加害者が盗難車で自賠責保険が使えない

このような場合に自賠責保険が使えず、被害者が損害賠償を受けことができずに不利益を被ることがあります。

このような場合に、政府が被害者に対し、損害の填補を行うための政府保障事業が定められています。

2015年8月26日水曜日

高次脳機能障害とは

交通事故や脳卒中などで脳が損傷されると、脳の認知機能に障害が起こることがあり、記憶能力の障害、集中力や考える力の障害、行動異常、言葉障害などが生じることがあります。

これらの障害を「高次脳機能障害」と言います。

交通事故による高次脳機能障害は、脳外傷により脳が損傷されたために生じるものです。

典型的な症状として次のようなものがあります。

2015年8月25日火曜日

自賠責保険の支払基準(8):傷害による損害-積極損害・治療関係費(6):義肢等の費用

⑨ 義肢等の費用
ア 傷害を被った結果、医師が身体の機能を補完するために必要と認めた義肢、歯科補てつ、義眼、眼鏡(コンタクトレンズを含む。)、補聴器、松葉杖等の用具の制作等に必要かつ妥当な実費とする。
イ アに掲げる用具を使用していた者が、傷害に伴い当該用具の修繕又は再調達を必要とするに至った場合は、必要かつ妥当な実費とする。
ウ ア及びイの場合の眼鏡(コンタクトレンズを含む。)の費用については、50,000円を限度とする。

2015年8月24日月曜日

自賠責保険の支払基準(7):傷害による損害-積極損害・治療関係費(5):柔道整復等の費用

⑧ 柔道整復等の費用
免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。

2015年8月21日金曜日

自賠責保険の支払基準(6):障害による損害-積極損害・治療関係費(4):諸雑費

⑦ 諸雑費
療養に直接必要のある諸物品の購入費又は使用料、医師の指示により摂取した栄養物の購入費、通信費等とし、次のとおりとする。
ア 入院中の諸雑費
入院1日につき1,100円とする。立証資料等により1日につき1,100円を超えることが明らかな場合は、必要かつ妥当な実費とする。

イ 通院又は自宅療養中の諸雑費
必要かつ妥当な実費とする。

2015年8月18日火曜日

医療照会とは

交通事故の被害者が、治療により入通院をしている場合、保険会社は、入通院先の医師に問い合わせをし、診断書や診療報酬明細書の記載内容などをチェックしたります。

これを医療照会と言います。

「治療」と「後遺障害」(補)

以前、「治療」と「後遺障害」というタイトルで記事を書きました。


これをもう少し説明しますと、

自賠責保険の支払基準(5):傷害による損害-積極損害・治療関係費(3):看護料

⑥ 看護料
ア 入院中の看護料
原則として12歳以下の子供に近親者等が付き添った場合に1日につき4,100円とする。

イ 自宅看護料又は通院看護料
医師が看護の必要性を認めた場合に次のとおりとする。ただし、12歳以下の子供の通院等に近親者等が付き添った場合には医師の証明は要しない。
() 厚生労働大臣の許可を受けた有料職業紹介所の紹介による者
   立証資料等により必要かつ妥当な実費とする。
() 近親者等
   1日につき2,050円とする。

ウ近親者等に休業損害が発生し、立証資料等により、ア又はイ()の額を超える
ことが明らかな場合は、必要かつ妥当な実費とする。

2015年8月17日月曜日

「第三者行為による傷病届」とは ~ 交通事故で健康保険を使う場合には忘れずに!

交通事故による治療でも、健康保険が使えることは以前にも書きました。

健康保険を利用する場合には、「第三者行為による傷病届(第三者による被害届)」を出す必要があります。

2015年8月15日土曜日

自賠責保険の被害者請求のメリットとは(4) ~ 過失の立証

誰かの行為によって、他人の財産に損害を与えたり、負傷させたりすることを不法行為と言い、加害者は不法行為責任を負います。

具体的には、その損害を賠償することになります。

2015年8月14日金曜日

症状固定とは ~ 損害賠償の側面

治療を継続しても、症状の改善が望めない段階になると、「症状固定」となります。

これは医学的な面からのお話しです。

これに対し、損害賠償の面から考えることも重要です。

2015年8月13日木曜日

症状固定とは ~ 医学的な側面

症状固定とは、「これ以上治療を続けても大幅な改善が見込めない状態に達した」段階のこととされています。

投薬やリハビリ等で、一時的には症状の回復が見られても、また痛みが出て... というようなことを繰り返し、全体的には症状の経過が平行線となっているような場合です。

「症状固定」という言葉(用語)は、医学的なものではなく、保険実務上のものです。

2015年8月12日水曜日

自賠責保険の支払基準(4):傷害による損害-積極損害・治療関係費(2)

⑤ 通院費、転院費、入院費又は退院費
通院、転院、入院又は退院に要する交通費として必要かつ妥当な実費とする。

2015年8月10日月曜日

調停の事例(1) ~ 入通院慰謝料の計算方法について

先日、保険会社から弁護士に対応が移り、弁護士がきっちりと対応しないまま、調停を申し立てられた事案の、第2回期日がありました。

第1回の期日は約1か月前にあり、その際に、当方の考えた方をまとめた書面を提出しました。

論点は大きく3つ、(1)慰謝料の計算方法、(2)休業損害の処理、(3)過失割合、でした。
(今回の事故では、後遺症(後遺障害)はなかったのは、なによりでした。)

今回の期日で、(1)について、「主張通りの金額が支払われるでしょう」とのkとで、当方の主張がほぼ100%認められたようです。

自賠責保険の支払基準(3):傷害による損害-積極損害・治療関係費(1)

第2 傷害による損害
1 積極損害
() 治療関係費
傷害による損害は、積極損害(治療関係費、文書料その他の費用)、休業損害及び慰謝料とする。

① 応急手当費
応急手当に直接かかる必要かつ妥当な実費とする。

② 診察料
初診料、再診料又は往診料にかかる必要かつ妥当な実費とする。

③ 入院料
入院料は、原則としてその地域における普通病室への入院に必要かつ妥当な実費とする。ただし、被害者の傷害の態様等から医師が必要と認めた場合は、上記以外の病室への入院に必要かつ妥当な実費とする。

④ 投薬料、手術料、処置料等
治療のために必要かつ妥当な実費とする。

2015年8月7日金曜日

自賠責保険の「仮渡金」請求の必要書類

自賠責保険の被害者請求をしている場合、治療費等の当座のお金が必要になります。
(一括払いの場合、治療代は保険会社が立て替え払いをしてくれている場合がほとんどです。)

このような当座の費用のために、一定の金額を速やかに支払われるのが「仮渡金」です。

仮渡金の請求は、加害者が加入している損害保険会社(組合)に対して行います。

請求には、次の書類が必要になります。

2015年8月6日木曜日

むち打ちと「脳髄液減少症」

むち打ちの症状には、次のようなものがあります。
・ 頸(くび)の痛み、痺れ
・ 上肢(うで)の痛み、痺れ
・ 頭痛、めまい
・ 吐き気
・ 耳鳴り
・ 倦怠感

これらの中には、「むち打ち」ではなく別の原因による場合があります。

2015年8月5日水曜日

自賠責保険の「仮渡金」の制度とは

交通事故の保険金は、治療が終了したとか、後遺障害の等級が確定し、すべての損害額が確定できる段階にならなければ支払われません。

自賠責の保険金は、請求をしてから、損害調査などがあり、調査報告を受けてから支払われます。

しかし、被害者にとっては治療費や、死亡の場合の葬儀費用など当座のお金が必要になることがあります。

2015年8月4日火曜日

自賠責保険の支払基準(2):総則(2)

2 保険金額は、死亡した者又は傷害を受けた者1人につき、自動車損害賠償保障法施行令第2条並びに別表第1及び別表第2に定める額とする。ただし、複数の自動車による事故について保険金等を支払う場合は、それぞれの保険契約に係る保険金額を合算した額を限度とする。

【ポイント】
「ただし」以降の部分について、
加害者が2人以上の場合、自賠責保険は、それぞれから支払われることになります。

2015年8月3日月曜日

「むち打ち」の後遺障害認定(3)

むち打ちが後遺障害として認定されにくいもう一つの理由として、「事故との因果関係」があげられます。

繰り返しになりますが、後遺障害と認められるためには、
(1)交通事故によって受傷した精神的・肉体的な傷害が、それ以上治療を続けても回復の見込みのない状態になったこと(症状固定)
(2)交通事故による傷害と、その症状固定時に残った症状(後遺症)との間に相当因果関係が認められること
(3)その存在が医学的に認められるもの
(4)労働能力の喪失(低下)を伴うもの
(5)自動車損害賠償保障法施行令別表第一又は第二の等級に該当するもの
という要件を満たす必要があります。

事故との因果関係とは、(2)に関する点です。