2016年3月8日火曜日

脳外傷による高次脳機能障害の後遺障害認定の等級と考え方

高次脳機能障害については、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残」すものとして、(自動車損害賠償保障法施行令)後遺障害等級表・別表第一の1級1号、2級1号、及び別表第二の3級3号、5級2号、7級4号、9級10号に分類され、後遺症の内容によりこれらのいずれかに該当すれば、後遺障害として認定されることとなります。


各号において、後遺障害の概要が記載さていますが、自賠責保険の高次脳機能障害の認定にあたって補足的な考え方が示されています。


高次脳機能障害ではないか、と疑われる場合には、各種の検査等に加え、この考え方に即した「立証」も必要です。


(別表第一)
1級1号
「神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」

《補足的な考え方》
身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要するもの。


2級1号
「神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」

《補足的な考え方》
著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって、1人で外出することができず、日常の生活範囲は自宅内に限定されている。身体動作的には排泄、
食事などの活動を行うことができても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの声掛けや看視を欠かすことができないもの。

(別表第二)
3級3号
「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」

《補足的な考え方》
自宅周辺を一人で外出できるなど、日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また、声掛けや、介助なしでも日常の動作を行える。しかし、記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労が全くできないか、困難なもの。


5級2号
「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」

《補足的な考え方》
単純くり返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。ただし、新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。このため、一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことができないもの。

7級4号
「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」

《補足的な考え方》
一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの。

9級10
「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」

《補足的な考え方》
一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題があるもの。

なお、「認定に当たっては、高次脳機能障害に合併した半身の運動麻痺や起立・歩行の不安定などの神経症状も十分に考慮される。」としています。



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