少し古い資料になりますが、次の数字は何を表しているでしょう?
平成14年度 42件 約4,400万円
平成15年度 43件 約9,200万円
平成16年度 25件 約5,200万円
これは、自賠責保険について「追加払い」が行われた件数と金額です。
追加払いとは、支払った保険金額が少なかったので、追加で支払った、ということです。
自賠責保険は、当ブログでも紹介しているように、支払基準が法令で定まっています。
それでも「過少払い」が発生しているということを意味しています。
いわんや任意保険をや、ということにもなります。
平成17年度以降、この数値が下がっていったのかどうか、今は手元に資料がないので分かりませんが。
さて、ではなぜそのようなことが起こるのでしょうか?
理由を2つ考えています。
1.任意保険との一括払いで、自賠責保険の支払額等が不明確になっている
2.被害者が、自賠責保険の支払基準を知らず、正確に計算できていない
1については、一括払いに関することについて別稿で検討しているので、そちらをご覧ください。
2についてですが、まずそもそも突然、交通事故の被害者になって、自賠責保険と任意保険との違いや、一括払いと自賠責の被害者請求があるということを知っている人は、ほとんどいないでしょう。
(自動車を運転する人であれば、自賠責保険と任意保険がある、ということはご存知だと思いますが。)
そういう点から考えると、仕方がないことかもしれません。
(だからこそ、専門家に相談するのがいいのですが...)
支払い保険額をできるだけ押さえたいと考えている保険会社が、被害者が有利になる(保険会社が不利になる)情報を積極的に提供するとも思えません。
そうすると、被害者としては自衛をせざるを得ません。
被害者としては「なんで被害者がそこまでやらなあかんねん」と思われるかもしれませんが、自分の権利は自分でまもるものだと思っていただきたいと思います。
自賠責保険の被害者請求を勧める理由は、(自賠責の部分にかかる)損害額の計算を自分できっちりできるという点にあります。
一括払いであっても、当然自賠責で支払われる部分というのがあるので、保険会社からの提示額をしっかり確認する必要があります。
自賠責保険でもこのような「過少払い」があるのだ、ということは知っておいてほしいと思います。
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