2015年10月29日木曜日

交通事故の「残念」な誤解(1) ~ 「保険会社は被害者の味方」

交通事故の案件を扱っていると、いろいろな誤解が「常識」のようにまかり通っていることに気づかされます。

そして、その間違った常識によって、損をしている(正当な権利主張ができなくなっている)ことが多くあります。


交通事故の被害者の方からの相談では、「保険会社には誠意がない!」とか「保険会社は信用できない!」などの怒りを持って、来られることが多くあります。

それは、「自分は被害者なのであるから、保険会社は誠意をもって対応してくれるはずだ」、あるいはそう対応すべきだという考えや、「保険会社は被害者の味方であり、十分な補償をしてくれるはずだ」、という(一方的な)期待に対する裏返しでもあります。


保険会社が被害者の味方である、というのが、大きな誤解です。


保険会社にとってのお客様は、保険料を払ってくれる人(保険の加入者、保険の契約者)であり、保険金を支払う相手(つまり、交通事故の相手方)ではありません。

保険会社は、受け取る保険料より、支払う保険金額が大きくなっては損をします。
ですから、保険金額をできるだけ低く抑えようとするのは、当然のことです。
そのような保険会社と被害者とは、利害が対立します。


アメリカの映画やドラマでは、保険金の不払いが描かれているものをよく見かけます。

マット・デイモン主演の「レインメーカー」という映画では、保険会社のマニュアルに「(白血病による)保険金の請求はすべて却下する」という項目がある、というシーンが出てきます。

さすがに日本で、ここまでは...と思うところですが、できる限り保険金を払いたくない、という考えは同じだと思います。


保険会社は、被害者の味方ではなく、保険金の支払いを確実にしてもらうためにしっかり交渉しなければならない相手方である、ということを認識する必要があります。


被害者に対して誠意ある対応をすべきなのは加害者の方なのですが、これについても、保険会社としては勝手な対応や示談をされては保険会社にとって損になると考えているところがあります。


保険会社の「親身な事故対応」の謳い文句は、あくまでもお客様である保険契約者に対するものであって、保険金を支払う相手に対してのものではない、ということを理解していただきたいと思います。


交通事故による自賠責被害者請求のご相談、ご依頼はこちらから。

親身に対応します... 高木泰三行政書士事務所 




0 件のコメント:

コメントを投稿